小麦粉について

小麦粉の等級別による色相の違い

以上のように、小麦粉は用途別の分類に加えて、等級別に分ける事ができるため、非常に多くの種類の小麦粉があるのです。

■小麦粉特有のたんぱく質グルテン

小麦粉に水を加えて捏ねると、粘着性と弾力性を持ったガム状の物質が出来ますが、このガム状の物質の事をグルテンといいます。このグルテンは、小麦粉に含まれているたんぱく質の中で水に溶けない性質を持ち合わせている、グルテニンとグリアジンという2つのたんぱく質から成っており、グルテニンの弾力性とグリアジンの粘着性を持ち合わせたものが、グルテンです。パンがふっくらと膨らんだり、うどんや中華麺のシコシコした歯ごたえはグルテンの働きによるものなのです。

■中華麺に最適な小麦粉とは?

 先にご説明したとおり、一口に小麦粉といっても、いろいろな種類がありますので、用途に応じて、小麦粉を選定しなければなりません。
 前項で説明した小麦粉の分類の仕方で表現すると、強力粉の一等粉が中華麺に適した小麦粉と言えるのです。
 ただ、同じ強力粉でも、パン用向けと中華麺用向けの小麦粉があり、それを区別するために、製粉メーカーでは中華麺用向けの小麦粉を準強力粉と表現する事があります。  各製粉会社は中華麺に適した小麦粉を製造するために、色相及びグルテンの量や質等を総合的に検討して、独自の原料配合、そして、独自の製粉方法で、製品開発に取り組んでいるのです。
 参考までに、生めん類の表示に関する公正競争規約施行規則において、「本場札幌ラーメン」を表示する場合の原料小麦粉の基準として、たんぱく質が11.0%以上、灰分が0.38%以下の小麦粉を使用するように決められています。

■小麦粉の保管方法

(1)開封後はしっかりと封を。
 虫は、私たちの生活環境のいろいろなところにいますので、当然、小麦粉にも侵入する 可能性があります。 また、さまざまな異物も身近には存在しています。よって、虫や異物が入らないように、 開封部分をしっかりと閉めるようにして下さい。

(2)湿気にはご注意。
 小麦粉は湿気に敏感で、高温、高湿なところに置いておくと湿気を吸い、カビが発生したり、かたまったりして、品質そのものが変わる事がありますので、涼しく湿気のない場所に保管してください。

(3)強い臭いは避けて。
 小麦粉は他の臭い(洗剤、灯油、化粧品など)がつきやすい性質があります。小麦粉の風味が損なわれますので、臭いの強いものと、いっしょに保管するのは避けてください。

 以上、小麦粉について説明してきましたが、一口に小麦粉といっても非常に奥深いものである事が、おわかりになったのではないでしょうか?用途に合った小麦粉を選ぶのが、上手な小麦粉の使い方なのです。