横山製粉の製品作り
小麦粉について
■北海道産小麦について
国内産小麦は1970年代に生産が激減し、うどん用に適する小麦としてオーストラリア産のASW(オーストラリア・スタンダード・ホワイト)が輸入されるようになりました。1970年代後半からは北海道を中心に国内産小麦の増産がはかられましたが、国内産小麦は、品質的に多くの難点がありました。ASW並みの品質が求められる中、育種家の努力により開発された「チホクコムギ」「ホクシン」は麺の食感が優れ、高い評価を得てきました。現在は麺の色、麺の食感もほぼASW並みである「きたほなみ」(2008年育成)へと置き換えが進み、北海道での作付けの約9割を占めています。 一方自給率の低いパン・中華麺用の小麦品種の開発も進められ、春播き小麦では1980年代後半には「ハルユタカ」が栽培され、2000年代には「春よ恋」へ置き換えが進み、現在では「春よ恋」よりも栽培特性に優れる「はるきらり」と共に作付されています。秋播き小麦では「キタノカオリ」が2003年から作付され、2010年からは超強力小麦「ゆめちから」の作付けが始まり、国内産うどん用小麦とのブレンドによりパン・中華麺用小麦の自給率向上が期待されています。
○北海道産小麦の種類(当社使用)
銘柄 | 主な用途 | |
秋播小麦 | きたほなみ | うどん用 |
キタノカオリ | パン用、中華麺用 | |
ゆめちから | パン用・中華麺のブレンド用 | |
春播小麦 | 春よ恋 | パン用 |
はるきらり | パン用 |
きたほなみ | キタノカオリ | ゆめちから | 春よ恋 |
秋播小麦 | 春播小麦 |
■外国産小麦粉について
小麦粉にはいろいろな種類がありますが、これを系統的に用途別分類と等級別分類との2つに分けてみると、解かりやすいと思います。
(1)品質特性(用途別)による分類
強力粉 | 中力粉 | 薄力粉 | |
グルテンの量 | |||
グルテンの質 | |||
原料小麦の種類 | 硬質小麦 | 中間又は軟質小麦 | 軟質小麦 |
主な用途 | 食パン、菓子パン、 中華麺、ギョーザの皮 ピザ、e.t.c |
うどん、乾麺、 その他の料理、e.t.c |
ケーキ、菓子、天ぷら、 その他の料理、e.t.c |
硬質小麦 | 中間質小麦 | 軟質小麦 |
これは、小麦粉の用途面からの分け方です。すなわち、小麦粉はパンや中華麺に用いる強力粉、うどんや素麺・冷麦などの乾麺に用いる中力粉、菓子や天ぷらなどに用いる薄力粉といった種類に分けられます。このような種類ができるのは、その小麦粉に含まれるたんぱく質(グルテン)の量と質が違うからです。また、このような性質の違いはさらにさかのぼれば、その小麦粉をつくる原料小麦の性質の違いによるものなのです。 なお、上記種類のほかに、マカロニ類に用いる特殊な粉として、デュラム・セモリナという小麦粉もあります。
(2)品位特性(等級別)による分類
特等粉 | 一等粉 | 二等粉 | |
色相 | 優良 | 良 | 普通 |
灰分 | 約0.30〜0.35% | 約0.35〜0.45% | 約0.45〜0.60% |
これは、小麦粉の純度(皮部細片の混入度)による分け方で、特等粉、一等粉、二等粉といった種類に分けられます。
この分け方の目安となるのが、灰分量です。灰分とは小麦粉を燃焼した時に残る灰の事であり、この灰分量が多くなるほど、小麦粉の色相が悪くなります。